サッポロホールディングス株式会社
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ホップ(ソラチエース)

サッポロビールでは、ビール原料であるホップの研究を継続して行っています。中でも 「ソラチエース」というホップ品種は、サッポロビールが北海道上富良野町で育種・開発し、1984年に品種登録されたもので、これまでのビールに使用してきたホップには無いヒノキや松やレモングラスを思わせる香りを持っています。その個性的な香りから欧米のクラフトビールを中心に非常に人気があり、入手さえ困難な稀少ホップと言われています。
このソラチエースの特徴を示す香り成分を 2種類のガスクロマトグラフィー(「におい嗅ぎ分析」、「固相マイクロ抽出ファイバー分析」)による分析の結果、「ソラチエース」には他のホップと比べ「ゲラン酸(geranic acid)(注1)」が多く含まれていることを発見しました。さらに、「ゲラン酸」をビールへ添加する試験を行ったところ、「ゲラン酸」と別のホップの香気成分が共存することでビールが花のような香りやレモンのような柑橘的な香りに変化することも発見し、「ソラチエース」の特長的な香りの成分のひとつが「ゲラン酸」であることが明らかになりました。

「ソラチエース」は「ゲラン酸」を特異的に多く含む

世界のさまざまなホップを分析したところ、「ソラチエース」には他のホップ品種に比べて「ゲラン酸」が非常に多く含まれることがわかりました(図1)。また「ソラチエース」を原料として醸造したビール中にも他のホップを原料としたビールと比べ、「ゲラン酸」が多く残存していることが明らかになりました(図2)。

図1 さまざまなホッブ中のゲラン酸含有量

図2 さまざまなホッブを原料として醸造したビール中のゲラン酸含有量

ゲラン酸が他の成分と共存することで柑橘的な香りに変化

ホップ由来の香りが少ない一般的なビールに「ゲラン酸」のみを添加し、官能評価(注2)を行ったところ、香りの変化はあまり認められませんでした。
しかし、ホップ香気成分(注3)を添加したビールに対して、同量の「ゲラン酸」を添加したところ、そのビールの香味特長が変化し、“花のよう”、“レモンのよう”といった評価が上がりました。
すなわち、「ゲラン酸」自体の香気は弱いにもかかわらず、「ゲラン酸」はビール中の香りのうちホップ由来の香り成分と共存することでその香りを選択的に強めて、「ソラチエース」独特の柑橘的な香りを形成するという興味深い作用をもっているということが明らかになりました。

図3 官能評価結果 (左:ゲラン酸のみ 右:ホップ香気成分とゲラン酸)

(注1) ゲラン酸
レモングラスや木の香りに例えられる、柑橘類の果実やワインなどに存在する有機化合物。

(注2) 官能評価
訓練されたパネル8名で実施。それぞれのコメントについて0~3点までの評価をした平均値。

(注3) ホップ香気成分
「ソラチエース」を用い醸造したビールに含まれているホップ成分と同成分を同じ量を添加しています。
成分名:ゲラニオール、ネロール、リナロール、α-テルピネオール、β-シトロネロール、ゲラニアール、ネラール、ゲラン酸メチル、ネロール酸メチル、ミルセン、リモネン、テルピノレン、α-テルピネン、γ-テルピネン