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レモン飲料における、味、香りの特長とおいしさとの関係性を確認!

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 サッポロホールディングス(株)は、ポッカサッポロフード&ビバレッジ(株)、東北大学大学院文学研究科とともに、レモン飲料の味(糖度および酸度)や香りにおけるヒトの知覚や嗜好性への影響を研究して、各特長とお客様の嗜好性との関係を明らかにし、その成果を「日本農芸化学会2017年度大会(2017年3月17日~20日 会場:京都)」で発表しました。

 この研究成果は、グループ事業会社のポッカサッポロフード&ビバレッジ(株)がレモン飲料としてのおいしさを追求する中で得られたもので、同社から2017年3月13日に新発売された「レモンの雫」の商品開発にも応用されています。

■ 研究背景と目的

 レモンは、爽やかな香りと鮮やかな黄色に加え「酸っぱさ」といった酸味が特長で、オレンジやりんご等の果物のように果汁感を高めることとおいしさが比例するわけではありません。レモン飲料の開発にあたっては、レモン果汁感の濃淡や甘味などの間に絶妙なバランスが求められます。本研究では、ターゲットとなる顧客層の求めるおいしさとレモン飲料の特長を数値化し、関係性を明らかにすることで、中味開発の精度を高め、レモン飲料の商品開発にも役立てることを目的としました。

■ 研究方法と結果

 レモン飲料の味の評価には、一般に販売されている数々のレモン系飲料商品の糖度と酸度のバランスを含むように濃度を調整した飲料15点を用い、レモン飲料の香りの評価は、レモン果実に含まれる香気成分の特長を香料で調整した飲料7点で調査し、官能評価および嗜好性調査を行いました。その結果を統計分析し、ユーザーの属性データとともにプリファレンス(嗜好性)マッピングを作成しました。

・官能評価: 訓練された専門パネル10名がQDA法(定量的記述分析法)にて評価

・嗜好性調査: レモン飲料ユーザー(15~49歳の男女、延べ638名)を対象に9段階尺度にて評価

 分析の結果、香りでは6つ、味では4つの嗜好性タイプが見出されました(図1)。味については、多くの調査対象者で甘味が強い方向を好む傾向が認められた一方で、比較的酸味の強い味バランスを好むタイプも存在し「レモンの果汁感」が嗜好性に関係することを確認できました。

 これら作成したプリファレンスマッピング(図2)を活用し、ポッカサッポロフード&ビバレッジ新商品「レモンの雫」のターゲット層であるフレーバーウォーター商品を飲用する男性が好む、香りと酸味と甘味のバランスを確認し、同商品の味づくりに応用しました。

図1:階層クラスター解析結果事例/ クラスターごとの嗜好性評価

図2:プリファレンスマッピング(レモン飲料の味)

■ まとめ

 レモン飲料の開発は、レモン果実が有する「酸味」ゆえに他の果実と比べて味づくりに工夫が必要となります。今回の研究結果から、酸味と甘味のバランスや香りがお客様の嗜好性に与える影響を数値的に確認することができました。これら「おいしさ」などの感覚を数値化することで、客観的な結果をベースとすることで、各ターゲット層の嗜好性にそった味づくりが可能となります。

 当社はこれからもレモンに関する研究を推進し、レモンの価値をお伝えしていきます。


以上

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