サステナビリティ
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サステナビリティ重点課題と推進体制

サステナビリティ重点課題

サッポログループは、「事業による社会・環境への影響度」と「社会・環境による自社財務への影響度」をリスク・機会の側面から評価し、事業活動を行うにあたり特に重要と捉えて重点的に取り組む「サステナビリティ重点課題(マテリアリティ)」として、9項目を設定しています。サッポログループを取り巻く社会情勢、事業環境の変化に伴い適宜見直しをしており、2025年、重点課題を一部更新しました。
中でも、「脱炭素社会の実現」「自然共生社会の実現」「地域との共栄」「責任ある飲酒の推進」「多様な人財の活躍」を経営上特に重視する課題として位置付けています。

⑧持続可能なサプライチェーン構築 環境との調和 社会との共栄 人財の活躍 ①脱炭素社会の実現 ②循環型社会の実現 ③自然共生社会の実現 ④地域との共栄 ⑤健康価値の提供 ⑥責任ある飲酒の推進 ⑦多様な人財の活躍 ⑨安全な製品、施設の提供 ガバナンス 全ての事業が提供する時間と空間で、 人々と地域社会の Well - being に貢献

重点課題ごとのリスク・機会

区分 最注力 重点課題 具体的取り組み 事業による社会・環境への影響度 社会・環境による自社財務への影響度 事業との関連性 経済価値とのつながり
リスク 機会 リスク 機会 酒類 外食 食品飲料 不動産
環境との調和 脱炭素社会の実現
  • 自社拠点・サプライチェーンにおける温室効果ガス排出削減
  • 省エネ等によるエネルギー使用量減
  • 将来的な炭素税導入時のコスト増の抑制
循環型社会の実現
  • 循環型社会に対応した容器包装の実現
  • プラスチック資源のリデュース・リサイクル
  • 廃棄物・食品ロス削減
  • 水資源の有効な利用、水リスクへの対応
  • 資材の安定調達
  • 資源循環を起点にした新たなビジネスモデルの創出
  • 無駄のないサービス提供による利益創出
  • 廃棄コストの削除
  • 良質な水資源確保等のリスク低減
自然共生社会の実現
  • 気候変動に対応した原料育種
  • 自然と共生する拠点・まちづくり
  • 気候変動への適応策実行による、長期的な原料の安定調達
  • 原料生産者との協働による付加価値創出
社会との共栄 地域との共栄
  • 地域の価値向上
  • 自社リソースを活用した地域課題解決
  • 不動産価値向上による利益創出
  • 地域創生を基軸にした新たな売上機会の創出
  • 付加価値の高い国産原料の安定調達
健康価値の提供
  • 事業を通じた健康価値の提供
  • 健康価値提供による利益創出
責任ある飲酒の推進
  • 適正飲酒の啓発
  • 不適切な飲酒の防止による事業機会の維持
  • ノンアルコール、微アルコールの市場拡大
人財の活躍 多様な人財の活躍
  • ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進
  • 成長と生産性向上に向けた人的資本投資
  • ワークエンゲージメントを高めることによる、生産性向上
  • 個のスキルアップおよび多様な価値観の融合による新たな価値創出
持続可能なサプライチェーン構築
  • サプライチェーンにおける人権尊重
  • サプライチェーンにおける環境負荷低減
  • 安定調達
  • サプライチェーン不安定化によるリスクの低減
安全な製品・施設の提供
  • 食品安全
  • 安全な施設づくり
  • 安定的な事業継続を支える基盤の構築

指標と目標

※ 目標設定会社表記 SH:サッポロホールディングス、SB:サッポロビール、PS:ポッカサッポロ、SRE:サッポロ不動産開発、SLN:サッポロライオン、SGF:サッポログループ食品、SBL:スリーマン、SAS:サッポロストーン、SVL:サッポロベトナム、YSM:ヤスマ、FBS:フォーモストブルーシール、PK:ポッカ、SSI:神州一味噌

※ SBT認定済

区分 最注力 重点課題 具体的取り組み 指標 目標設定会社 目標年 目標 SDGsゴール
環境との調和 脱炭素社会の実現 自社拠点・サプライチェーンにおける温室効果ガス排出削減
  • 温室効果ガス排出削減量
サッポログループ 2030年
  • スコープ1,2  温室効果ガス排出量を2022年比で42%削減
7.2
13.1
17.17
サッポログループ
(SB, SBL, PS)
  • スコープ3 温室効果ガス排出量を2022年比で25%削減
  • FLAGスコープ1,3 温室効果ガス排出量を2022年比で31%削減
循環型社会の実現
  • 循環型社会に対応した容器包装の実現
  • プラ資源のリデュース・リサイクル
  • PETボトル製品 再生材使用率
PS 2030年
  • 国内販売PET製品 再生材利用率50%
12.3
12.4
12.5
14.1
  • 広告品類プラスチック削減量
SB 2030年
  • 化石燃料由来のワンウェイプラスチック製広告品類 国内原則廃止
廃棄物・食品ロス削減
  • 食品再生化等実施率
SLN
  • 食品リサイクル法に定める基準実施率(+1%/年)

    ※2023年度までに50%達成済

  • 生産拠点における廃棄物再資源化率
SB, PS
  • 国内生産拠点における廃棄物再資源化率100%
水資源の保全
  • 用水原単位
SVL 2030年 ロンアン工場において、
  • 2030年まで用水原単位を2023年比10%削減
  • 洪水などの水リスクについて、適切に地域とコミュニケーションを図り、影響を最小化させるよう努める
6.4
  • 水リスク管理
SB, SBL, SAS, SVL, PS, PK, YSM, SSI
  • 1回/3年以内による全生産拠点等の水リスクを調査
  • 水の効率的使用
自然共生社会の実現 気候変動の緩和策・自然への影響の低減策
  • 大麦/麦芽の単位量あたりの窒素肥料の投入量、施肥最適化コミュニケーション
SB 2030年
  • 大麦/麦芽の単位量あたりの窒素肥料の投入量把握および施肥最適化コミュニケーション2030年までに実施割合を100%にする。

    ※当社のFLAG Scope1,3目標の共有、窒素系化学肥料や有機肥料の活用について、現地訪問などによる状況ヒアリング

13.1
15.4
気候変動に対応した原料育種、自然と共生する拠点・まちづくり
  • 気候変動対応原料育種の進捗
SB 2030年
  • 気候変動対応可能な特性を持つ大麦・ホップの国内品種登録出願
社会との共栄 地域との共栄
  • 地域の価値向上
  • 自社リソースを活用した地域課題解決
  • エリアブランド価値向上に資する持続可能なまちづくりの進捗
SRE
  • 保有物件価値向上と賑わいの創出
  • 物件エリアのステークホルダーとのコミュニティ形成・強化・拡大
  • 誰にでも優しい施設づくり
4.7
8.9
11.3
11.7
17.17
  • 「地域創生事業」の進捗
SB
  • 自治体と連携した持続可能な地域創りとして、食材商談会における地域の食材サプライヤーと企業のマッチング等を実施
  • 商談会における自治体、サプライヤー、バイヤー満足度75.0%以上
  • 日本のレモン生産の環境構築の進捗
PS ◆長期
  • 日本のレモン栽培の豊かな土地と恵みを、未来の人々と地域に受け継ぐ
◆短期
  • 毎年最低でも農地の最小単位である2,000m2を増やす
  • 自社だけでなくパートナーとともに、栽培耕地の拡大
  • 後継不在の農地引継ぎ、耕作放棄地の再生等の実施
  • 食品飲料事業に関する地域における学習プログラム(食育、出前授業、工場見学等)の実施件数
PS, SGF 2030年
  • 2021年比で10倍(400件規模)
健康価値の提供 事業を通じた健康価値の提供
  • 「ポッカレモン」ブランド集計 [年間購入率(%)・年間購入数量(購入者あたりの本数)]
PS 2030年
  • レモンが持つ健康機能の発信や用途・シーンの提案を通じて、レモンの総需要を拡大することで人々のWell-Beingに貢献する
2.1
3.4
11.3
  • お客様の健康に焦点を当てた商品の展開状況
PK 2030年
  • シンガポールとマレーシアで販売される商品に含まれる砂糖量を、平均値が4.5%以下になるように削減する(ポッカブランド製品のみ)
  • 健康価値提供に資する保有物件の認証取得状況
SRE
  • 健康価値提供に資する保有物件の認証取得
責任ある飲酒の推進
  • 適正飲酒の啓発
  • 純アルコール量のラベル表示進捗
SB 2025年
  • 国産・国内販売の缶入りアルコール飲料、微アルコール飲料容器へ1本当たりの純アルコール量(g)を表示実施率100%
3.5
  • e-learning等による適正飲酒に関する啓発の社員受講率
SB, SLN
  • 国内全従業員へのe-learning等による啓発(1回/年以上)100%参加
  • ノンアルコール、微アルコールや低アルコール製品に対する取組み強化
SB 2026年
  • お客様の多様なニーズに応えるため、ノンアルコール、微アルコールや低アルコール製品において、選択肢を拡大していくことを目指す
SLN
  • 適正飲酒セミナーの満足度
SB 2027年
  • お客様に適正な飲酒の情報を提供し、啓発活動を進めることで、アルコールの有害な摂取を防ぎ、社会に貢献する

    ※セミナー後の満足度アンケート(5段階評価)にて2027年までに4以上

  • 飲食店におけるアルコールの誤飲発生件数
SLN
  • 0件
  • 飲食店メニュー・POP類へ20歳未満飲酒防止メッセージの表示率
SLN
  • 100%
人財の活躍 多様な人財の活躍 ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進
  • 多様な価値観、新しい働き方に合わせた制度・環境の整備状況
SH, SB, PS, SRE, SLN 2026年
  • ワークエンゲージメント(※) 54以上

    ※ストレスチェック・従業員意識調査による指標<偏差値>

5.5
8.5
SBL
  • DE&I研修を受けた従業員の割合 100%
  • コンシャス・インクルージョン研修を受講した雇用リーダーの割合:100%
SVL
  • DE&I理解度 6.0点(※)
  • 経営陣の中のローカル社員人数 2名
  • 組織文化調査 6.00点(※)

    ※SVL社実施の「組織文化調査」による指標(7点満点中)。

PK
  • エンゲージメント(※) 80%

    ※PK社実施の「従業員調査」による指標(ベンチマーク76%)。

  • 女性活躍推進の進捗状況
SH, SB, PS, SRE, SLN 2026年
  • 女性取締役比率12%以上、女性管理職比率12%以上
SH 2030年
  • 女性取締役比率30%以上
SH, SB, PS, SRE, SLN
  • 女性管理職比率20%以上
成長と生産性向上に向けた人的資本投資
  • 未来価値創造に向けた挑戦的な風土醸成の進捗度合い
SH, SB, PS, SRE, SLN 2026年
  • 統合調査「未来価値創造に向けた挑戦」(※) 3.0以上

    ※ストレスチェック・従業員意識調査によるサッポログループ独自の調査指標 <1.0~4.0で数値化>。

  • 積極投資による人財育成(経営人財/グローバル中核人財/DX・IT基幹人財)の進捗状況
SH, SB, PS, SRE, SLN 2026年
  • 経営人財後継候補の充足
  • グローバル中核人財100名
  • DX・IT基幹人財200名
  • 心身の健康の良化による生産性向上の度合い
SH, SB, PS, SRE, SLN 2026年
  • プレゼンティーイズム損失率(※) 33.4%以下

    ※ストレスチェック・従業員意識調査による指標 SHと4事業会社の平均

持続可能なサプライチェーン構築
  • サプライチェーンにおける人権尊重
  • サプライチェーンにおける環境負荷低減
  • 安定調達
  • サステナビリティ調達ガイドラインの遵守率
SB, SBL, SAS, SVL, PS, PK, YSM, FBS, SSI, SLN
  • 「調達基本方針」及び「サステナビリティ調達ガイドライン」の働きかけ及び浸透策の実施。
10.2
15.3
17.17
SB, PS
  • 主要調達先のサステナビリティ調達ガイドライン 遵守率100%
  • 森林破壊を防止したサプライチェーン構築の確認状況
サッポログループ
  • 高リスク品目(1)について森林破壊のない調達になっていることの確認できるスキーム(2)の確立・実行

    (1)牛肉、パーム油、大豆、ココア、木材・木質繊維

    (2)サプライヤーに対する当社方針の説明、アンケート等を通じた方針の有無や取組み確認、必要に応じた是正の働きかけ

  • 人権DDプロセスの進行状況
SB, SBL, SAS, SVL, PS, PK, YSM, FBS, SSI, SLN
  • サプライチェーンの人権尊重を確認できるスキーム(※)の確立・実行。(主要原料と高リスク原料から優先実施)

    ※①各原料に関するサプライチェーンの一覧化
    ②アンケート等による日常活動確認
    ③必要に応じた状況調査等
    ④必要に応じた是正の確認

SB, PS 2025年
  • 主要原料および高リスク原料について、人権尊重された調達になっていることの確認を実施
安全な製品・施設の提供 食品安全
  • 食品安全保証体制の運用、継続的改善
  • 重篤な食品事故の発生件数
SB, SBL, SAS, SVL, PS, PK, FBS, SSI, SLN
  • 食品安全保証体制への、お客様をはじめとしたステークホルダー(社内を含む)の声の反映。
  • 重篤な食品事故の発生抑制
2.1
安全な施設づくり
  • 施設安全への取組み状況
SRE
  • 保有物件における適切な非常用電源の確保
  • 保有物件における耐震性能の確実な確保
  • 有事対応計画に関する定期的な見直しと訓練の遂行
11.3

* サッポログループ全体の当該排出量の2/3以上を占める

※ 2024年まで運用の重点課題/指標・目標に対する進捗を示しています

重点課題の特定プロセス

Step 1:課題のリストアップ

  • GRIスタンダードやSASB、ESG格付の評価項目などの国際的なフレームワークをもとに、サステナビリティ課題を網羅的にリストアップ
  • リストアップした課題の中から、特にサッポログループの業種・業態と関連性のある項目を抽出

Step 2:課題の優先順位付け

  • 抽出した課題をもとに、「事業による社会・環境への影響度」と「社会・環境による自社財務への影響度」を、事業ごとに「リスク・機会」の側面からスコアリング
  • サッポロホールディングスおよび主要事業会社において、ビジョンや経営戦略との関連性を踏まえて、優先順位づけ
課題の優先順位付け

Step 3:社外有識者からのアドバイス

  • 重点課題に対して社外有識者から客観的な立場でアドバイスをいただくために、当社役員と投資家視点、マルチステークホルダー視点それぞれの社外有識者とのダイアログを実施

ダイアログに参加いただいた社外有識者

  • りそなアセットマネジメント株式会社 執行役員責任投資部長 松原 稔 氏
  • CSRアジア日本代表 赤羽 真紀子 氏

当グループ事業において重要な課題を捉えていると評価を頂いた上で、以下のような観点でのご意見を頂きました。

  • 事業戦略とサステナビリティ重点課題の連動性
    • 自然資本を使った事業展開における、各課題の意味付け
    • リスク・機会両面における財務への影響
  • 各課題に対する、当グループにおける具体的取り組みの明示の重要性
    • 原料や地域への取組みなどの価値
    • 人的資本に対する具体的戦略の開示

Step 4:重点課題の承認

  • 最終的に特定した重点課題を、経営会議および取締役会で承認

サステナビリティ推進体制

サッポロホールディングスは、サッポログループのサステナビリティ活動推進のための全体方針を策定し、グループ内の連携・調整を行うための機関として、代表取締役社長を委員長とする「グループサステナビリティ委員会」を設置しています。
サッポロホールディングス 経営企画部は、グループ各社のサステナビリティ活動推進のための諸施策を立案・実施しているほか、事業会社のサステナビリティ担当者と連携し、情報共有と進捗の確認を行っています。

サッポログループのサステナビリティ推進体制(2022年3月時点)

グループサステナビリティ委員会

  • 年2回を基本に開催
  • 主な議題
    • サステナビリティ重点課題に対する実績を踏まえたモニタリング
    • 各課題の戦略・方針の見直し
  • 議題に応じ、経営会議や取締役会での議論、決議、報告等を実施
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