TNFD(注1)情報開示フレームワークに基づく自然関連財務情報を「気候変動への取り組み」と統合開示
ビール原料である大麦や麦芽に注目し「施肥最適化コミュニケーション」の100%実施を目指します
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サッポロホールディングス(株)は、TNFD(注1)の開示フレームワークに基づいた自然関連情報をサステナビリティサイトに公開しました。当社は2019年5月にTCFD提言への賛同を表明して以来情報開示してきた「気候変動への取り組み」に、今回の自然関連財務情報を統合し、一連の分析結果として整理して開示しています。
本年1月、当社は「TNFD Adopter」に登録し、自然資本との関係を整理、分析してきました。今般、TNFDが提案する分析手法であるLEAPアプローチ(注2)に沿って分析、検討し、2030年に向けた目標を新たに設定しました。
サッポログループは、サステナビリティ方針「大地と、ともに、原点から、笑顔づくりを。」(注3)のもと、今後も環境保全に関する活動を一層強化しながら、取り組みを進めていきます。
【TNFD情報開示フレームワークに基づいた自然関連財務情報の要点】
■全事業の分析と評価対象の選定(Scopingフェーズ)
当グループの主要事業である「酒類」「食品飲料」「不動産」の全サプライチェーンを対象に、潜在的な自然への依存・影響を評価しました。その結果、自然への依存・影響が大きいと評価され、かつ調達量も大きい酒類原料の「大麦とホップの生産」を、LEAPアプローチに沿った詳細評価の対象として選定しました。
■「大麦とホップの生産」に関する、LEAPアプローチに沿った分析内容
・調達先農地の位置情報を把握し、その周辺にある自然の状態などを評価。
・自然への依存と影響を整理。自然に影響を与える重要なファクターとして水質汚染があり、その要因である窒素肥料の投入量に着目。
・自然関連のリスク・機会を特定しその発生可能性などを評価。気候変動関連対応と統合した形で整理し、対応策の再整理と新たな目標設定。
※分析の詳細は「気候変動・自然資本への取り組み」をご確認ください
https://www.sapporoholdings.jp/sustainability/environment/nature/climate/
【新たに設定した自然資本に関連した目標】
目標:大麦/麦芽の単位量あたりの窒素肥料の投入量把握および施肥最適化コミュニケーション(注4)実施割合を、2030年までに100%にする。
当社は、本年3月FLAG関連の温室効果ガス排出削減目標について、国内で初めてSBT認定を取得しました(注5)。FLAG関連の温室効果ガス排出には、調達している農作物の生産に伴う土地利用変化や土地管理に伴う排出が該当し、窒素肥料の投入に伴うN2O(亜酸化窒素)排出も含まれます。また、窒素肥料の投入は、自然への影響の一つである水質汚染の原因ともなります。
今回新たに目標を設定し、FLAG関連の温室効果ガス排出の削減、および自然への影響の低減のため、調達規模が最も大きい大麦/麦芽のサプライヤーに対して、窒素肥料の投入量把握および施肥最適化に向けたコミュニケーションを進めていきます。
<参考:自然資本に関連したサッポログループの取り組み>
環境負荷を低減した麦芽「Clim Trace(クライムトレイス)」を日本で初めてビール製造に採用
恵比寿ガーデンプレイス 「サッポロ広場」が環境省「自然共生サイト」に認定
サステナビリティサイト
https://www.sapporoholdings.jp/sustainability/
(注1)自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)
(注2)LEAPアプローチ:TNFDが提唱する分析手法。Locate(優先地域の特定)、Evaluate(依存と影響の把握)、Assess(リスクと機会の特定と評価)、Prepare(戦略と目標設定と評価、報告)の順に分析アプローチを行う。
(注3) https://www.sapporoholdings.jp/sustainability/
(注4)当社のFLAG Scope1,3目標の共有、窒素系化学肥料や有機肥料の活用について、現地訪問などによる状況ヒアリング
(注5)「温室効果ガス排出削減目標でSBT認定を取得 FLAG関連排出目標は国内初の認定」
https://www.sapporoholdings.jp/news/dit/?id=9264
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