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病気や薬とお酒

薬を飲んでいるときには注意を

薬といっしょに飲まない

お酒と薬をいっしょに飲むと、薬の種類によっては体への影響が強くあらわれることがあります。薬もアルコールと同じく肝臓で分解されるため、肝臓には二重の負担がかかることになるのです。結果として長時間、体に薬の影響が残ることになり、場合によっては生命にかかわる事態になることもあります。

特に睡眠剤、精神安定剤、糖尿病の薬などをお酒といっしょに飲むことは避けましょう。また、胃薬の中にはアルコールといっしょに飲むとアルコールの分解を弱めてしまうものがあります。

POINT

  • お酒と薬はいっしょに飲まない

かかりやすい生活習慣病

少量の飲酒が健康に良い一方で、大量の飲酒を続ける生活習慣は、さまざまな生活習慣病を引き起こします。脂肪肝、肝炎、肝硬変といった肝機能障害はもちろんのこと、すい臓炎、糖尿病、高血圧、動脈硬化症、心臓疾患、脳血管障害など、全身のあらゆる病気の原因になるといっても過言ではありません。がんについては、特に咽頭がん、口腔がん、食道がん、大腸がん、乳がんなどと大量飲酒との強い因果関係が指摘されています。

お酒の飲み過ぎで病気にならないように、日ごろの飲酒を適量に保ち、定期的に健康診断を受けることをおすすめします。

γ-GTP(ガンマGTP)とは

飲酒量の多い人には、γ-GTP(ガンマGTP)の数値が肝機能の健全度のバロメーターになります。γ-GTPは肝臓の中にある酵素のことで、一般的に飲酒量が多ければ、γ-GTPは上がります。健康診断のときには、このγ-GTPの数値に注目したいもの。男性で通常60、女性で30を超えるような数値になったら要注意です。お酒は控えたほうがよいでしょう。

アルコール依存症

長期間にわたって大量の飲酒を続けていると、しだいにお酒を飲まずにはいられない状態になります。これが、アルコール依存症です。

今夜だけはお酒を飲むまいと思っても、夕方になるとつい飲んでしまう。適量でやめようと思っても、いつも限度を超してしまう。そしてお酒が切れてくると、イライラ、手の震え、寝汗、不眠、ついには幻覚症状があらわれるようになります。こうなると、家族にあたりちらしたり、仕事でミスをおかしたり、人間関係がうまくいかなくなったりします。

アルコール依存症の治療には断酒しかありません。しかし、本人の力だけでお酒をやめるのは至難の業。家族や周りの人たちが、断酒を成功させる環境作りに協力することが大切です。

日本におけるアルコール依存症者数(ICD-10を用いた推計、2013年)

日本におけるアルコール依存症者数(ICD-10を用いた推計、2013年)
出典:平成25年度WHO世界戦略を踏まえたアルコールの有害使用対策に関する総合的研究(研究代表者 樋口進)

依存症とうつ病を併発する人が増えている

アルコール依存症とうつ病は高い頻度で合併することがわかっています。米国での調査では、アルコール依存症の約28%がうつ病を合併しており、アルコール依存症でない人の3.9倍多いとされています。うつ病の抑うつ気分や不眠を解消するための飲酒からアルコール依存症になるケース、アルコール依存症による大量飲酒が抑うつ気分を強めているケースなどさまざまですが、いずれの場合も、まず断酒することが治療の第一歩となります。

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