発酵技術から、環境への貢献
酒類製造技術からの応用
サッポログループでは、酒類製造で培った技術を応用し、食品製造時に発生する副産物や残渣を原料としたバイオエネルギー研究を国内外で進めてきました。特に注力してきましたのは、これまで廃棄するしかなかったキャッサバパルプ(キャッサバ芋からタピオカ澱粉を抽出した後に発生する残渣)から、ガソリン代替エネルギーであるバイオエタノールを製造する技術の開発です。原料となるキャッサバパルプの粉砕、糖化・発酵、蒸留の各段階における技術条件の検討には、酒類製造で培った技術が大いに生かされています。
タイ国における実証試験
2010年7月、「キャッサバパルプを原料とするバイオエタノール製造技術開発」としてNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の技術実証事業に採択され、磐田化学工業株式会社および山口大学らと開発チームを発足。パイロットプラントをタイ国内にあるデンプン工場敷地内に完成させ、キャッサバパルプからバイオエタノールを製造する技術の実証試験に取組みました。
20か月間、数十回に及び試験の結果、食糧需給と代替エネルギー生産との併存と廃棄物問題を解決する次世代バイオマス技術として、年間3万KL規模のエタノール生産を可能とする技術を確立しました。
地球環境への貢献
本技術によるCO2削減効果は、当社試算で約6万トンに達し、食糧需給と代替エネルギー生産との併存、廃棄物問題に留まらず、地球温暖化防止にも貢献し得る技術となりました。これらの取組みは社会的にも大きく評価していただき、2018年第27回地球環境大賞(フジサンケイビジネスアイグループ主催)において、農林水産大臣賞を受賞しました。サッポログループは、今後も国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」達成に貢献していきます。
ニュースリリース
サッポロホールディングス(株)が第27回地球環境大賞「農林水産大臣賞」を受賞
~醸造技術を応用したバイオマスエネルギーの技術開発を進めてきた功績~
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