研究開発

食の安全・安心を支える確かな分析技術

分析専門チームの活躍

価値創造フロンティア研究所において、サッポログループの商品の安全性やおいしさを保証するための様々な分析検査を担っています。
食の安全を脅かす化学物質や有害微生物から商品を守るためには、これらの有害物質を正しく検出し評価するための分析検査技術が必要です。また、栄養成分をはじめ商品の様々な成分量を検査することでおいしさが保たれていることを確認する必要があります。サッポログループでは研究所組織の中に分析専門チームを置くことで、常に最適な分析検査技術を活用できる体制となっています。研究所の分析専門チームならではの確かな技術によって商品や原料の安全性をしっかり確認し、さらに製造現場の安全なものづくりにも研究所の分析技術を活用しています。

それだけではなく、分析専門チームでは鍛え上げた分析検査技術によってR&Dの可能性をさらに広げることにも貢献しています。中でも香り成分を詳細に分析する技術に力を入れており、特徴的な香りをもつクラフトビール開発などのオンリーワンの商品づくりに役立てています。

原料の安全性を保証

原料の安全性を保証

お酒や飲料水を造るうえで最も大切な原料は水です。製造に使用する水は、食品用として適しているかどうかの検査を定期的に行っています。また放射性物質の検査を定期的に行い安全であることを確認しています。(放射性物質の検査は商品でも定期的に行っています)

農産物原料については残留農薬の安全性保証をサプライヤー様だけに任せるのではなく、自社でも約400種の農薬を分析できる体制を構築し、原料や商品を検査することで問題のないことをチェックしています。

また、商品が微生物に汚染されることのないように、原料や商品の微生物管理基準を定めるための様々な調査研究を行っています。
さらには工場で製造した各種商品を研究所でも詳しく分析し、設計通りの商品がつくられているかを分析専門チームならではの厳しい目でチェックしています。

安全・安心で、おいしい生ビールのための微生物管理

安全・安心で、おいしい生ビールのための微生物管理

サッポロビールは基礎研究から工場まで一気通貫した微生物管理の取り組みを通じて、お客様に安全・安心かつおいしい生ビールを提供しています。 ビールは抗菌性のあるホップの苦味成分やアルコールを含むため、微生物が極めて生育しにくい飲料ですが、中にはビール中で増殖できる微生物もいます。ビールの品質を変化させる微生物(人体に害を与えるものではありませんが)は熱処理で殺菌できますが、今は非熱処理のいわゆる生ビールが主流です。生ビールを製造・出荷する工場では、容器中の数個の微生物も迅速に検出し、仮に検出された場合でもそれがビール中で増殖できるかを判定する高度な管理技術が必要です。

1990年代前半にサッポロビールはPCR法を活用したビール増殖菌の判定方法を開発しました。近年開発された、より簡便な方法のLAMP(Loop-mediated Isothermal Amplification)法により、目視で60分以内にビール増殖性を判定でき、工場での管理に役立てられています。

この一連の取り組みで、サッポロビールは日本農芸化学会から「2021年度農芸化学技術賞」()を受賞しました。

担当研究者からのひとこと

サッポロビール 価値創造フロンティア研究所
町田 賢司

所属は、2020年3月時点のものです。

写真:町田 賢司

サッポログループではお酒、清涼飲料水をはじめ粉末スープや味噌・調味料など様々な食品を扱っています。これらの商品が細菌やカビなどの微生物に汚染されることなく常に安全に保たれることを科学的に裏付けることが私の使命です。その為にそれぞれの商品設計に応じた微生物管理方法を調査研究し、得られた結果を商品開発や製造方法に反映させます。最新の検査技術も取り入れながら安全・安心なものづくりにこれからも取り組んで行きます。

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