研究開発

お客様の「感性」を測る

商品は、お客様のところではじめて価値となります。お客様に選ばれる商品を創るには、品質とともに、「感性」価値を高める必要があります。食品の場合、二次機能と呼ばれる「おいしさ」や「食べる喜び」などが「感性」であり、その要因やメカニズムを明らかにすることが、商品開発にとって極めて重要です。また、一方、ヒトの嗜好は.それぞれ異なり、同じモノを食べても「おいしさ」の感じ方は異なります。さらに、商品が消費される場面だけでなく、購入される際のパッケージの目立ちや分かりやすさ、高級感なども重要であることが分かってきました。このように、商品開発やマーケティングにおいて重要で、捉えにくい「感性」を科学的アプローチによって明らかにすることを目指して取り組んでいます。

おいしさを作るレトロネーザルアロマ

おいしさを作るレトロネーザルアロマ

食品の“おいしさ”にとって、香りはとても重要な役割を果たしています。例えば、風邪をひいてにおいがよくわからない時は、食事もあまりおいしく感じませんよね。においがわからないと、“おいしさ”も半減してしまうのです。食品の香りには、鼻から直接嗅ぐ香り(オルソネーザルアロマ)と、食品を食べて飲み込んだ後に喉から鼻に抜ける香り(レトロネーザルアロマ)があり、食品の“おいしさ”には特にレトロネーザルアロマが重要な要素になっています。私たちは、食品のレトロネーザルアロマを最新の分析機器を用いて測定することで、“おいしい”食品の開発に役立てています。

視線をとらえるアイトラッキング

視線をとらえるアイトラッキング

どんな商品でもお客様に選んでいただかなければ、その良さを感じて頂くことはできません。私たちは視線の動きをとらえる「アイトラッキング」技術を用いてお客様が何を見て商品を選んでいるかを解析し、より多くのお客様に手に取っていただける商品デザインはどのようなものかを調査しています。過去には、キレートレモンサワーや神州一味噌の即席みそ汁などの商品パッケージ刷新時に活用し、売り上げ増となった例もありました。また商品パッケージ以外にも、工場で働くスタッフの作業訓練にもアイトラッキングを活用し、より品質の高い商品をお客様にお届けする事に貢献するなど、様々なシーンでアイトラッキング技術を活用しています。

担当研究者からのひとこと

サッポロビール 商品・技術イノベーション部
早坂 咲

所属は、2020年3月時点のものです。

写真:早坂 咲

神州一味噌のカップみそ汁パッケージのリニューアルにあたり、魅力的なパッケージとはどのようなものかをアイトラッキング技術を用いて明らかにしました。色や配置の違いによってパッケージがお客さまへ与える印象が異なるというのは非常に興味深く、また、得られた知見が販売の現場に活用されたことに大きなやりがいを感じました。今後も、どのような商品がお客様に選ばれるかを「感性」という切り口で明らかにし、食を通じた幸せに貢献していきたいと思っています。

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